|
![](ganga_sunrize02.jpg) |
インドは旅人にとって憧れの地である。かの玄奘もインドを目指した。なぜインドにそこまで人をひきつけるチカラがあるのか。僕も出かけてそれを確かめてみたくなった。
そのインドにあってもまた特別なのがバナラシという町だ。NHKスペシャル「アジア古都」シリーズで、この街の特異性を象徴する、こんなエピソードが紹介されている。
ベナレスの町にはガンジス川沿いに火葬場がいくつか存在している。英国統治時代に行政当局が公衆衛生上の理由でこれを閉鎖しようとした。これに対して市民から強い反対があり、30年の論争の後に市当局が出した結論はこうだった。
「・・・火葬場マニカルニカー・ガートやハリシュチャン・ガートが街のために存在するのではない。街が、火葬場のために存在するのである」
この街には今でもインド中から、そこで人生の最期を迎えるために人々が集まってくるという。いったいどんな街なのだろうか。これはぜひ出かけて実際にこの目で見てこなければなるまい。
| |
|
|
|
バナラシの路地裏で |
![](noraushi.jpg) |
バナラシの旧市街はこんな感じの路地が複雑に入り組んでいて、初心者でも簡単に道に迷うことが出来る。こいつはその路地裏で出会ったインド名物ののら牛クン。この後すれ違おうとして振り向きざまに鼻スタンプを貰った。
|
|
ガート |
![](ganga01.jpg) |
ガンジス川沿いにはガートと呼ばれる沐浴場が整備されている。これはボートから見たガートの風景。ダシャーシュワメード・ガートの少し南だと思うが定かではない。ガートのうちいくつかは火葬場とその遺灰をガンガに流す葬儀場としての機能を果たしている。その一つ、マニカルニカ・ガートはこの少し北にある。
|
|
Mr. old Boatman |
![](ganga03.jpg) |
私の乗ったボートを操る、ボートマンとその向こうに広がるガンガーの彼岸。ガートで座っていると"I'm just an old boatman" と言って手のひらを見せてきたので、何となくいい人のような気がして彼のボートに乗り込んだ。
川の中ほどに来てふと横を見ると黒くてパンパンに膨れ上がった袋詰めの何かが横を通った。ボートマンは何気なくひとこと言った。"Dead body"。おお。 |
|
証拠写真 |
![](ganga02.jpg) |
このページでは珍しい、筆者のポートレイト。ボートマンがファインダーを覗きながら何度もオールをがたごとやって、めでたく撮影となった。やっぱりいい奴だ。
|
|
|
ガンガの祭り |
|
ダシャーシュワメード・ガートでは、たまに夜になるとこんな祭りが開かれる。聖なる河、ガンジスに祈る祭りらしい。
僕も花売りの少女から小さな器にのった花を買い、ガンガに流す。そしてガートの隅にたたずんで祈りの音楽を聞きながらこのパフォーマンスを眺めていると、暮れてゆくガンガの川面、ガートの風景、その他一切の自分をとりまくものが心地よく感じられ、とても平和な気分に満たされる。
バラナシという場所はたどり着くだけでも結構難儀をする所だが、このお祭りを見るだけでも、その難儀を超えてきた値打ちはあると思った。
|
|